モンティ・ホール問題

【モンティ・ホール問題】※モンティ・ホール は、人名です。
 
 
① あなたの前にA,B,Cの3つのドアがあり、それらのドアの向こうには当たりが1つ、ハズレが2つ用意されています。
 
② あなたはドアを1つ選択します(この時点ではドアをOPENしません)。
 
③ 正解のドアを知っているモンティが、残された2つから、ハズレのドアを1つOPENします。
 そこで、モンティが「今なら選択を変更して構いませんよ?」と、あなたに問いかけます。
 
 
 
(問) このときあなたは、最初に選んだドアから変更しますか?
 それとも、そのまま、最初に選んだドアを開けますか?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
皆さんは、どのような決断をなさいましたか?
 
 
私は最初の直感では、「変えても変えなくても当たる確率は1/3で同じでしょ!だからドアを変えるのは意味がない!」と思いました。
 
 
その後、ちょっと考えて、「“確率は少なくとも減ることはない”ので、ドアを変えるのも悪くはないかもしれない」という結論に至りました。
 
 
しかし、この問題の答えは、「ドアを変更したほうが確実に良い。なぜなら変更したほうが当たる確率が2倍になるから(1/3 ⇒ 2/3)。」です。この答えを知ったとき、私は正直、大きな衝撃を受けました。
 
 
 
もし誰からも教えられないまま、どちらかのドアに変更したら確率は1/3のままなのですが、
この問題では、モンティのおかげでどちらかの一方を選ばなくて済むので確率が2倍になるということなのです。
 
 
 
この問題のカラクリは、「正確な答えを知っている人」によって、間接的にヒントが与えられているということです。(現実世界では、このような都合の良い場面の経験は少ないので、直感でうまくいかないのも当然かもしれません。。)
 
 
それを考慮せずに単なる確率論で考え、「変えても変えなくても同じ」と決めつけてしまうと、
「そのままのほうが無難」と考えてしまう現状維持バイアス※が勝ってしまい、結果的に不合理な決断をしてしまいかねないのです。
 
※大きな状況変化ではない限り、現状のままでいたいとする心理作用のこと。また、現状を変えることによる不利益の方が、その利益よりも大きいと感じること。
 
 
 
 
納得がいかないときは、ドアの数を1000(当たりは1個、ハズレは999個)に増やして考えると良いと思います。
「あなたがドアを1つ選んだあと、モンティがハズレのドアを998個OPENしてくれる。このとき、最初の選択を変更したほうが良いかどうか。」
 
この場合も、ドアを変更すると確率は1/1000⇒999/1000となるので変更したほうが良いと言えます。
 
最初の選択は1/1000という絶望的な状況の中、テキトウに選んだにすぎないことを考慮すると納得しやすいと思います。
 
また、998個取り除いてくれているので、1個がポツンと不自然に残っています。それを見たら、その1個が当たりですよと殆ど言ってくれているようなもの(最初にたまたま当たりを選んでいない限り)だと考えると良いと思います。
 
 
 
 以下に、この問題から何を学べるかをまとめておきたいと思います。

 
≪まとめ≫
① できる限り正確な情報を仕入れると◎。
② 正確な情報を仕入れたら、次の行動を少しでも考え直すと◎。
③ 人は、現状維持バイアスに陥りがち。